ご近所づきあい
水曜日は目と鼻の先に住んでいるメリアン宅へ
彼女とはフランス語のスタ−ジュで一緒に机を並べ、
その後も時々道ですれ違っては立ち話をしていた。
彼女はモロッコ人。パリに住んでいるモロッコ人や、アルジェリア人は多い。
それぞれの国は北アフリカにあるのだけれど、この人たちのことをアフリカ人とは呼ばない。
アラブ人に属する、イスラム教徒の人たち。
メリアンはイスラム教徒特有のフラ(頭にかぶるスカ−フ)はしていないが、
ラマダン(年に一度日中は絶食する)は毎年している。
あの頃も、ラマダンだから食べないといってお昼をぬいていたっけ。
彼女はモロッコで結婚して18歳でフランスへ来た。
そして3人の子供がいる。
結婚してすぐ子供を生んだので、一度も就職したことがない。
フランス語はぺらぺらなのになぜフランス語のスタ−ジュを?
と聞いたら、読み書きが弱いから勉強しなおしたかったと言う。
お金を払って子供を預かってもらって来ていたらしい。
今は前から興味があった医療事務をしたいと研修を受け、勉強している。
ましてや生活に必要な言葉とは別の医療に関する単語がある。
一冊1cm強あるA3の大きさの資料が10冊以上あった。
これをマスタ-しなくてはいけない。
今度病院へ行って研修受けさせてもらおうと思って
と言う彼女は去年運転免許も取った。
フランス料理人のだんな様は帰りが遅く土日も仕事
その上3人の子供がいて、なんとも彼女の頑張りはすごい。
そしてその日の夕方彼女宅に姫を預かってもらい、私はオ-デション会場へと向かった。
姫も5歳と7歳の子供に抱かれて遊んでもらって喜んでいたみたい。
おかげ様で今回は手ごたえがあった。4月からちょこっと働けそうだ。
なにか私にできることがあったら言ってね。と私の電話番号を渡す。
今度は一緒にアラブ菓子を作ろうと約束して別れた。
私もメリアンもお互い両親、兄弟は母国に。
こんな時にいざ頼れるのは隣人。
もっと近所づきあいを深めていこうと思った。
彼女の手つくりお菓子はとってもおいしい。アラブのお菓子はしばしばココナッツが使われます。