私の出産 第2章
眠りに落ちたというのは、麻酔によるものではない。
今まで何分かおきにくる陣痛から開放されて、体がほっとしたという感じだ。
仕事をおえ、家で待機していた相棒は夜21時ごろ出産室へ着いた。
毎時間助産婦さんが、子宮の開き具合を確認する。このままだと夜を越しそうである。
右腹、右足付け根に痛みが走った。かなり痛い。半身で陣痛を感じでいる。麻酔がきいていないのだ。
助産婦さんが麻酔を追加する。この状態が朝5時頃まで続いた。
半分睡魔に襲われているころ、助産婦さんがいよいよあなたががんばるときよと言う。
彼女の指揮の元、陣痛が来るたびに力むのだ。
まず、深呼吸をする。
そして、また大きく息を吸い込む。
お腹にためて止める。
で、力むのだ。
苦しくなったら、息を吐く
また大きく息を吸い込む
お腹にためて止める
で、力む。
これを陣痛の間繰り返す。
相棒が私の手を握り、一緒になってふうふう、はあはあ言っている。
触ってごらん、赤ちゃんの頭よ。
助産婦さんに言われ、手をやると確かに髪の毛が触れた。
その調子よ、もう少し がんばって。
はっ はっ う-ん
その時、お腹の中が本当にべろんって感じに何かが抜けて、
気づいたときには、私のお腹の上に、血だらけのわが娘がのっていた。
うんぎゃあ---
改めてあの、べろんと赤ん坊がでた不思議な感触が忘れられません。